厚生労働省のAEDの適正配置に関するガイドラインでは、スポーツ関連施設にAEDを配置することが推奨されており、その導入が進められています。
健康維持のためにスポーツを始めるという人は少なくないと思いますが、スポーツはことのほか心臓に負担をかけるという点から、心停止というリスクも少なからずあると言われています。
数年前のことですが、サッカー選手が試合中に心停止をおこして帰らぬ人となってしまったというニュースを聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。サッカーやマラソンなどの激しいスポーツは、心拍数が急上昇するためオーバーペースになりやすく、それほどハードな運動ではなくても、緊張、ストレス、その日の体調によって心臓に負担がかかり、心停止を起こすこともあるようです。
このため、厚生労働省だけでなく、一部の自治体や日本救急医療財団、日本体育施設協会の特別会員で作られている安全安心健康部会などのガイドラインでも、スポーツ関連施設へのAED設置が必要という見方が増えています。
また、人間は心停止してから5分をすぎると、その後に蘇生できる可能性が5分前に比べると格段に減ると言われています。ですが、心停止してから5分ほどは脳も活動を続けており、5分以内に処置すれば蘇生できる可能性が高くなるということで、スポーツ施設へのAEDの設置導入が進められています。
なお、スポーツ施設には、フィットネスジムやテニスクラブを始め、野球やテニスといったスポーツ観戦施設なども含まれています。
スポーツ施設は、ジム、プール、柔道場、野球場といろいろな施設に分かれているなど、とにかく施設が広くなっている場合があります。そんな広い施設内では、数の限られたAEDをどこに置くかというのはとても重要なこと。
最近はAEDを見かけることが多くなったものの、実際に使用される機会はあまり多くないといわれていますが、その一番の原因は設置場所にあるようです。基本的には心停止などが起こって3分以内に取ってこれる場所が理想的だと言われています。
ある野球場では、外野、アルプス、内野にそれぞれAEDが複数設置されています。選手はもちろんのこと、応援に来ている人が心停止になった場合にもすぐに対応できるよう、球場内を3つの部分に分けて数個ずつ設置しているというわけです。
また、公式スマホサイト内コンテンツの施設ガイドからはAEDの設置場所が確認できるようになっています。一刻を争う事態に、手元のスマホからすぐ設置場所を調べられるというのはとても重要なことだといえるでしょう。
ゴルフ中で心停止、AEDを持って駆けつけ意識回復/ゴルフ場スタッフ
ゴルフ場で、コースを回っていた男性が心停止状態になってしまいました。一緒に回っていた友人の方からフロントに連絡があったため、もう1名のスタッフとAEDを持って急行。そして音声ガイダンスにそって処置と心臓マッサージを行いました。
その後すぐに救急車も到着して病院に向かったのですが、その途中で意識を回復されたとのことでした。 AEDの講習は受けましたが、実際に使うのは初めてで少し怖かったです。ゴルフは他のスポーツに比べて平均年齢が高めと言われていますし、広いゴルフ場では移動にも時間がかかりますから、連絡を受けてからすばやく行動することが大事だなと実感しました。あとは、どこにAEDがあるのか、お客様自身にも確認していただくことも徹底しようと思いました。