電気ショックを使って新機能を蘇生するAEDは、プールサイドなど、床が濡れている場所でも問題なく使用することが出来ます。ただし、以下の点に留意せずに使用すると、感電事故の原因となる可能性があるため、注意が必要です。
AEDの電極パッドは、それぞれ患者の右半身の鎖骨下と左半身のわき腹に装着しますが、プールサイドなど床が濡れた場所でAEDを使用する場合には、左半身の脇腹の電極パッドが濡れた床に接触しないようにする必要があります。電極パッドが濡れた床に接触したままAEDを使用したとしても、周りの人が感電する危険性はありませんが、十分な電流が心臓に届かず、正しく機能しない場合があります。ただし、床が少し濡れている程度であれば、問題はありません。
また、電極パッドを装着する部分が濡れている場合にも、AEDが正しく機能しないことがあります。装着部は、前もってしっかりと水分を拭き取っておくようにしましょう。ただし、この場合にも、少し濡れている程度であれば問題はありません。
AEDの使用中は、絶対に患者の身体に触らないようにしましょう。救助者の思わぬ感電事故につながる可能性があります。AEDの使用時には、装置から「離れてください」といったガイダンスが流れますが、このガイダンスには必ず従うようにしましょう。
感電が原因で心機能が止まり、倒れてしまった人に、AEDによる蘇生は必要あるのでしょうか?
結論から言えば、感電して倒れてしまった人にも、AEDは必要です。AEDは、「心室細動」に陥ってしまった心臓の機能を回復することが出来る装置ですが、この心室細動は自然に回復することはなく、電気ショックが唯一の治療方法となるためです。
AEDによる救命が必要なケースかどうかは、電極パッドを患者に取り付ければ、自動的にAEDが判断してくれます。感電が原因にしろそうでないにしろ、突然意識を失って倒れ呼吸も止まっている人がいれば、急いでAEDを装着するようにしましょう。