一般の家庭でもAEDの設置が推奨されるようになり、さまざまな家庭用AEDが販売・レンタルされるようになりました。これは2004年に厚生労働省より一般市民によるAEDの使用が認められるようになったのが要因の一つです。とはいえ実際にAEDを使う機会は少なく、いざというときに正しい手順で操作できるか自信がないという声も。ここでは、家庭でAEDを操作するときに知っておきたいポイントをまとめています。
AEDが必要になる状況を知っておきましょう。AEDは別名「自動体外式除細動器」といわれ、突然心臓の動きが止まってしまう「心停止」が起こった場合の救命措置として使用されます。AEDを使った救命措置を行った場合、その人の救命・社会復帰率は各段に上がることが証明されています。現在日本では、病院の外で起こる心停止は年間3万件にものぼり、1日約100人の方が心停止による突然死で亡くなっています。心停止は年齢問わず誰にでも起こるものです。そのような状況を踏まえると、私たち一般市民でも使うことができる「AEDによる心肺蘇生の実施」が大事な人を救う重要なカギとなるのです。
AEDはどちらかと言えば公共施設や人の多いところに設置されているイメージがあると思います。しかし時代の移り変わりと共に、AEDを家庭用に個人所有する時代へと移り変わってきました.。
実は個人宅などの一般家庭で心停止する人が6割近いという調査結果からもわかるとおり、AEDは本来家庭用として備えておくべきものなのです。個人でAEDを所有していれば、助かる命があるということを考えると、真剣に家庭用のAED設置を検討するべきではないでしょうか。
一般家庭用ならリーズナブルに販売されているAEDで十分です。
AEDが家庭用での普及を阻害する原因のひとつに、高価格な点が挙げられます。相場をざっと調べてみましたが、平均的な価格は30万円前後で販売されています。これではなかなか手がでませんよね。
もし一般家庭用や個人所有でAEDを使うなら、ここまで高価なものははっきり言って必要ありません。自分が必要とする最低限の機能を備えた機種を選べば、価格もリーズナブルに抑えられます。なかには15万円前後の機種もあり、こうした価格帯のものは家庭用として充分機能してくれるでしょう。
選ぶ上では、室内使用なので防塵・防水性能はなくても構いません。持ち運び距離が少ないなら多少重量があるタイプのものでも良いので、価格優先で考えてみてください。ただ、心肺蘇生(心臓マッサージ)の方法をアシストしてくれる機能であるCPRコーチング機能は、付いていると便利です。
AEDは購入すればそのままずっと使用できるものではありません。大体5年〜7年くらいが耐用年数です。だからこそ家庭用なら安価なタイプでもOKでしょう。
最近「AED」のロゴを見かける機会が増えています。なぜなら、一般家庭での利用が増えてきているからです。
一般市民のAED使用が認められたのは2004年時点。当時は、一般の利用はわずか1,000台あまりでした。しかし、AEDの認知が高まった2012年になると、累計台数約35万台が一般的に利用されるようになったのです。
普及したきっかけは、「医師法17条に抵触しない」とされたこと。法律に抵触せず、万が一の時に命が助かる確率が上がるなら、導入したいと考えるのも当然です。
アメリカでは比較的安価で、助成金の歴史が長いAED。助成金に関して日本はまだまだ遅れていますが、意識が追いついてくるにつれ、より普及することでしょう。
ここでは、家庭用AEDに適した機能やオススメのAED、リーズナブルにAEDが購入できるサイトを紹介します。
家庭用AEDは基本的にリーズナブルな機種がオススメ。初期費用のほか、バッテリーや電極パッドの交換費用など、ランニングコストが安いものを選ぶと良いでしょう。
持ち運びを想定していないのであれば、軽量化されていなくても問題ありません。ただ、とっさの時に使用できないと困りますので、無理なく使用できる重さのものを選ぶと良いでしょう。
家庭で使用する場合、毎日のメンテナンスが簡単なものを選ばないと管理が大変です。基本的にメンテナンスで交換が必要なものは、バッテリーや電極パッド、小児用電極パッドなどが挙げられます。
万が一の局面で動揺しているような時でも使える、バッテリー残量やエラー表示などが一目でわかるものを選ぶと良いでしょう。
0~6歳の子どもにAEDを使用する場合、大人と同じ電気ショックを与えることはできません。そのため、子どもがいるご家庭は、成人・小児モード切替機能がついていると安心です。
持ち運びを想定しておらず、家庭で使用するのであれば、基本的に防水・防塵機能は必要ありません。ただし、海や川、プールといった水場に近いところで使用する場合、防水・防塵機能があるものを検討しましょう。
「CU-SP1」は、家庭用AEDに最も適した機種のひとつ。分かりやすくて安心して使え、低価格で設置できる、命にもお財布にも優しいAEDです。
引用元:http://www.japan-cu.com/m21_view.php?page=1&div=1&idx=24
「CU-SP1」は機種代、ランニングコストともに安いAED。保証期間である5年間はバッテリー交換も無料。電極パッドも成人用と小児用が共用であるため、別々に交換する必要がありません。
長期使用できるバッテリーを搭載。バッテリー自体の寿命も長いため、ランニングコストやメンテナンス性に優れています。バッテリーを合わせた重量が2.4kgと比較的重め。ただ、バッテリー性能を考えると当然と言えます。
5年間持続する大容量バッテリーを搭載しているため、バッテリーを交換する手間が少ないのが特徴。いざ、バッテリーを交換するとなると、業者とのやりとりや見積もりなど、手間がかかってしまいます。「CU-SP1」は交換頻度が低いので、メンテナンスの手間が軽減されます。
「CU-SP1」はバッテリー残量や電極パッドの使用期限、乾燥状態など、5つのセルフテストが毎日実施されます。こうした入念なチェックが行われるAEDは少ない中、その結果を一目で確認できる、とても親切な設計となっています。
0歳から6歳までは、小児用モードの使用が推奨されています。その点、「CU-SP1」は、モードの切り替えが可能。セーフティーガードもついているので、AED使用中の誤操作も防ぎます。
防塵・防水規格である国際電気標準会議によって定められた国際規格IP55を取得している「CU-SP1」。粉塵の内部侵入を防止し、水の直接噴流にも耐える、丈夫で壊れにくいAEDです。
家庭用のAEDの設置はリーズナブルなものが最適。AEDにはレンタルもありますが、長期間備えつけておくことを考えると、購入したほうが断然お得と言えるでしょう。
トータルコストは?「CU-SP1」購入/
レンタルの価格シミュレーションを見る
では、AEDを実際に購入しようとしても、「どこで買えばいいのか?」悩んでしまう場合も多いと思います。AECは医療機器ですので、販売網も医療機関向けのものでしたが、最近はネットや量販店なででも気軽に購入できるようになりました。
購入できる場所は、AED製造メーカーの販売代理店、ネット販売、大型家電量販店の3つに大きく分けられます。購入の際には、価格の他にも、導入時に相談できるかどうか、アフターケアはあるのかを確認してから購入場所を選ぶと良いでしょう。
2019年現在、AEDの費用相場は20~35万円程度です。その他、ランニングコストとして、約2年に一度、電極パッド(1万円程)とバッテリー(3万円程)の購入が必要となります。レンタルの場合ですと月額4,500円~6,000円程が相場で、通常5年契約となります。
例えば、5,000円で5年間(60か月)で計算すると総額は約30万円。6,000円であれば36万円となります。AEDの耐用年数は7年がほとんどですので、レンタルを7年間続けるコストを考えると、購入の方がお得と言えるでしょう。
引用元:http://www.japan-cu.com/m21_view.php?page=1&div=1&idx=24
おすすめ機種・CUメディカル「CU-SP1」
最安価格:198,000円
サポートもばっちり!コストパフォーマンスの高い家庭用AED
コストパフォーマンスの高いAED「CU-SP1」。バッテリー残量や電源パッド期限、エラー状態をわかりやすく表示します。
また、オートボリューム機能がついているので、周囲の騒音に合わせて音声ガイダンスの音量が変化。必要に応じて的確な心臓マッサージのリズムを音声ガイダンスがサポートします。
しっかりと心肺蘇生法(CPR)手順をサポートするので、誰でも簡単に「もしも」の時でも迅速に救助することが可能。そんな「CU-SP1」を最安で購入できるサイトです。
引用元:オムロン(https://www.aed.omron.co.jp/product/)
おすすめ機種・オムロン
「レスキューハート HDF-3500」
最安価格:236,000円
アイコン表示がわかりやすい家庭用AED
キヤノンHPから購入できる「レスキューハート HDF-3500」は、ケースから出さなくても緊急時にすぐに使えるAED。わかりやすいアイコン表示に加え、音声とパネル状のLEDランプが、初めての方でも迷わず使えるように導きます。
また、AEDの各機能の正常な動作を保つためのセルフチェック機能を搭載。異常が見つかった場合は、ステータスLEDが赤色に代わり、アラーム音で知らせてくれます。
引用元:フィリップス公式HPhttps://www.philips.co.jp/healthcare/consumer/aed/products
おすすめ機種・フィリップス「ハートスタートHS1+」
最安価格:275,000円
直観的に操作ができるAED
救命コムHPから購入できるAEDでオススメの機種は、使い方が簡単な「ハートスタートHS1+」。緑のハンドルを引くと電源が入り、音声メッセージが流れるので、直観的に操作できます。
バッテリーは長寿命のものを採用。心肺蘇生法(CSR)コーチング機能がついているので、気道の確保や人工呼吸の回数、心臓マッサージ時の手の置き方や深さ、タイミング等を音声でガイドしてくれます。
心室細動を起こす可能性がある心臓病を患っている方が、医師の指示・処方を受けて自宅にAEDを常備するケースも徐々に増えてきました。
こうした場合には、医療費控除が認められる可能性があります。ポイントは医師の指示・処方に基づきAEDを購入もしくはレンタルしている時です。医師が必要と認めたのであれば、所得税法が規定する医療費控除の対象になる可能性が十分あります。
実際に控除の対象になるかどうかは、住まいのお近くの税務署に確認してみてください。
実際に家の中で家族やパートナーが心肺停止に陥った場合を想定して、心肺蘇生の手順を確認していきましょう。
倒れている家族を発見したら、まずは声をかけて意識があるか確認しましょう。呼びかけにも答えず、意識がないとわかったらすぐさま救急車を呼びます。家の中にほかの家族がいる場合は119番をしてもらい、同時にAEDを持ってくるよう依頼します。
意識を失って倒れた場合、まず呼吸の確認を行います。脈を感じられず、呼吸がなさそうだと判断したら、すぐに気道を確保しましょう。身体を仰向けにし、あご先を上げて呼吸がしやすい姿勢にしてあげます。あごを上に突き出すような形にすることで、空気の通り道を広げられます。
うつ伏せや横向きに倒れているような状況であれば、身体をねじらないように頭をささえながらゆっくりと仰向けにします。仰向けにした状態でお腹の動きをよく観察し、お腹が動いていれば弱いながらも呼吸が出来ている状態です。お腹が動いておらず、完全に呼吸が止まっているようであればすぐに心肺蘇生を開始します。突然家族が倒れて気が動転するかもしれませんが、呼吸が止まっていれば、一分一秒を争う事態です。
気道を確保したら人工呼吸を行います。ただし、嘔吐を伴う心停止の場合は感染症などのリスクもあるため、心臓マッサージ(胸骨圧迫)だけでもかまいません。人口呼吸は傷病者の鼻を親指と人差し指でつまみ、もう片方の手で傷病者のあごを支えながら行います。1秒かけて傷病者に口に息を吹き込み、傷病者の胸が膨らんでいるかを確認しながら行うのがポイント。胸の膨らみが戻ったら、もう一度空気を吹き込みます。2回の人工呼吸を1セットとします。
人工呼吸を2回行ったら心臓マッサージ(胸骨圧迫)を開始します。片手を傷病者の胸に真ん中に手に置き、その上にもう片方の手を重ね、手の位置を固定させます。手を置く場所は胸の真ん中であって、お腹ではないので注意しましょう。
心臓マッサージで大事なことは「強く」「速く」「絶え間なく」行うこと。「強く」とは傷病者の胸が4~5㎝沈むくらいの強さです。子どもや乳児の場合は身体の厚みが1/3程度沈むまで。正しく力が伝わるようにまっすぐ腕を伸ばし、真上からしっかりと押すことが重要です。
「速く」とは1分間に100回ほどの速さで押すことです。目安としては1秒に2回ほどのスピード感が求められます。
最後の「絶え間なく」は、この作業をできるだけ途切れることなく行うことです。心臓マッサージは30回の圧迫を1セットとします。実際にやってみるとわかりますが、30回連続して行う心臓マッサージはとても体力の要る行為です。疲れから胸骨圧迫が不十分になる可能性もあるため、他に家族がいる場合は交代しながら行うのが望ましいでしょう。
人工呼吸と心臓マッサージを行っているあいだに、他の家族がAEDの準備をしているとスムーズにAEDの操作に入ることができます。準備ができたらできるだけ早く電気パッドを装着し、電気ショックを行います。
AEDが解析を終え、電気ショックが必要だというメッセージが出たら、ショックボタンを押します。このとき、他の家族が傷病者に触れていないことを確かめてからスイッチを押すように注意してください。AEDに「ショックの必要がありません」というメッセージが出たら、再び先ほどの人工呼吸と心臓マッサージを開始します。電気ショックを与えたあとも反応がない場合は同じように心肺蘇生を再開します。
電気ショックを行い、傷病者に反応があった場合は心臓の機能が回復している可能性があります。その場合は心肺蘇生を中断し、救急隊が到着するのを待ちます。心肺蘇生を行う場合は傷病者をよく観察しながら行うことが重要です。
定期的に「心肺蘇生のための講習会」を行っている地域もあります。赤十字社や消防署で受講することができるので、講習会を受けて正しい手順を学んでおくのがおすすめです。心停止は老若男女、誰でも起こりうるもの。いつ、どこで、誰がなってもおかしくありません。万が一のとき、大切な人をこの手で守ることができるよう全員が正しい知識を身に着けておくことが必要となります。
AEDに関するさまざまな疑問をまとめました。機械本体に対する素朴な疑問や操作方法についてわかりやすく解説しています。
実はすべての方に必要なわけではありません。電気ショックが必要かどうか、素人では判断できませんが、AEDなら自動で解析してくれます。AEDに付属している電気パッドを倒れている人の胸に貼り付けることで、電気ショックが必要かそうでないかを自動で判断してくれる仕組みです。
AEDを操作する機会というのはなかなかないので、不安を感じる方が多いかもしれませんが、AEDには日本語による音声ガイドがすべての機種についているので、音声ガイドに従っていけば問題ありません。機種によって音声ガイドで案内する言葉は若干違うものの、動作自体はほとんど同じなので、落ち着いて音声ガイドに従って動くようにしましょう。
1歳以上の子どもであれば、AEDを使用可能です。8歳未満の子どもには小児用の電気パッドを使用するのが望ましいですが、やむを得ない場合は大人用の電気パッドで対処することもあります。その場合は電気パッドが重ならないように注意しながら装着することが大切です。
電気パッドの装着について、3つの注意点があります。
まずひとつは、電気パッドは「肌に直接つける」こと。電気パッドはしっかりと肌に密着させるように貼り付けてください。装着が不十分な場合は音声ガイドが指摘してくれるので、その場合はもう一度やり直しましょう。
ふたつめは、「乾いた状態で装着すること」です。身体が汗などで濡れている場合は、タオルでふき取ってからパッドを装着します。海やプールで使用する場合も同じです。装着部分のみでかまわないので、タオルで水気を拭いてから使用してください。
みっつめは「ペースメーカーを入れた方への装着場所」です。もし、倒れた方にペースメーカーが入っている場合は、ペースメーカーのある場所から2~3㎝以上離れたところに電気パッドを貼り付けます。ステントやカテーテルの場合は通常通り使用して問題ありません。
2つある電気パッドに左右の指定はないため、どちらに貼っても問題なく使用することができます。どちらが右でも左でもいいので、2つの電気パッドを正しく両胸に装着させましょう。
電気ショックを行う際に重要なのは「傷病者に触れないこと」です。電気ショック中に傷病者に触れてしまうと感電する危険があるため、とにかく離れることが大事。近くに人がいるかどうか、AEDは認識できないため、確認は私たち自信で行う必要があります。
心肺停止後は一分一秒を争う事態です。時間が経過すればするほど、その人が助かる確率は低下していくため、1秒でも早い救命措置が求められます。救急車が到着するまでの時間は全国平均でおよそ6分程度。一命を取り留めたとしても後遺症が残るなど、社会復帰できる確率は1分毎に低下していきます。できるだけ早くAEDを使用できるよう、AEDを常に手の届く場所に確保しておくのが望ましいでしょう。