AEDを出来るだけ安く導入したいなら、中古のAEDは魅力的な選択肢に映るかもしれません。いくつかの販売店で中古AEDは販売されており、かつてはヤフオクやメルカリといったフリマサイトでも、中古AEDが販売されていました(※)。
とはいえ、AEDは時として人命を左右することもある機器であるだけに、中古のAED購入には冷静に判断をする必要があります。そもそもARDの販売には免許が必要です。中には無免許で中古AEDを販売する業者もいて、そうした業者からAEDを購入すると思わぬ事故に繋がる可能性があります。
※2023年1月現在、ほとんどのフリマサイトでは「取り扱い免許をもつ業者」を除いて、AEDの売買を規約で禁止しています。
AEDは特定保守管理医療機器に分類される医療機器の一つであり、医薬品医療機器等法第39条によって、その売買には「高度管理医療機器の販売業」という免許が必要であると定められています。この規定は、中古でのAED売買やAEDのリースおよびレンタルを行う業者にも適用されます。
また、AEDを中古で販売する場合は免許の取得に加えて、製造販売業者に該当機種を中古品として販売することの可否を確認することも、同様に法律で義務付けられています。そうした確認作業を踏まえずに販売される中古AEDは、機能や安全性に不安や問題が残るほか、万が一故障した場合に保証や修理を受けられない場合も。いくら安くても安全に使えないAEDでは意味がありません。
AEDにはモデルによって6年~8年の耐用年数が定められており、耐用年数を超えたAEDは必ず交換をしなければなりません。
中古AEDの耐用年数は必然的に短くなり、例えば耐用年数が残り2年のAEDであれば、2年後には新しいものに買い替えなければなりません。買い替えの頻度が多くなり、結果的に中古AEDの方が高くついたということも。中古AEDを購入する際には長期スパンで計画することを念頭におき、費用対効果を冷静に判断する必要があります。
中古市場ではAEDの訓練をするために用意された「訓練機」が出ていることがあります。本物と同じ音声ガイダンスこそ流れるものの、電気ショックを起こすことはできません。誤って購入しても返品ができない場合があるため、間違えないように注意しましょう。