AEDとは
AEDとは、自動体外式除細動器(Automated External Defibrillator)の略称。心臓の不規則なふるえ(細動)を、電気ショックにより取り除く装置を指します。AEDが心臓の動きを自動解析して心室細動と判断したとき、電気ショックを与えて心臓を正常なリズムに戻すのです。
AEDが設置されるのは、病院駅空港学校老人ホームなど人が多く集まる場所です。使い方にかんしてはAEDの音声ガイダンスに従っていれば問題なく、救急車が到着するまでの間に心肺蘇生を行う必要があります。2004年7月からは、一般市民(バイスタンダー)もAEDを使用できるようになりました。平成27年版消防白書によると、2014年に一般市民の方がAEDを使用した事例は1,664件とされています。
医療従事者以外でもAEDを使えるのは、救う命が増えるからです。急に人が倒れても、救急車が来るまでの間に何もしないと死亡率が高まります。一般市民1人1人がAEDをいつでも使用できるのが理想とされています。
心室細動とは
心室細動とは、致死性不整脈のひとつ。血液を全身へ送り出す心臓部分(心室)の筋肉が、けいれんを起こして機能しなくなります。突然の心停止でとても多いのが心室細動ともいわれています。心室細動による心臓の機能不全を回復させるためには、AEDによる電気ショックが大切。むしろ、AEDこそが心室細動の唯一の治療方法なのです。
AEDがなぜ必要なのか~救えるはずの命の数~
総務省消防庁の平成28年版統計資料によると、救急車の到着は平均8.6分です。心停止で人が倒れてから何もしないで救急車の到着を待つと、生存率は約20%となります。言い換えれば、およそ8分30秒も心臓が止まっていると、80%の確率で亡くなるといえます。心停止から1分ごとに、生存率は7%~10%低下するとされています。1分1秒でも早く、AEDの電気ショックで心臓を正常なリズムに戻したいのです。それだけで、救える命が多くなります。
特に覚えておきたいのが、脳の回復が困難となるのは心停止から3分~4分後という点。脳に血液が届かなくなると、後遺症のリスクや死亡率が高まります。
胸骨圧迫による救命処置の重要性
AEDと同じくらい重要なのが、救命処置の1つである胸骨圧迫です。胸骨圧迫を行えば、心臓のポンプと同様の役割を果たします。AEDの電気ショックで心臓が正常なリズムに戻るまでは、胸骨圧迫を続けるのが大切です。救急車が到着するまでに、いかに胸骨圧迫とAEDで救命処置を行うかが求められます。
心停止は、いつどこで発生するのか分かりません。一般市民1人1人が心肺蘇生の重要性を理解して、さらに救命処置の一連の流れを知っていれば、傷病者も生存率が高いまま搬送されます。そのためには、全国各地にAEDが普及されている環境が必要です。AEDは操作がむずかしい物ではありません。AEDの操作で扱うのは、電源ボタン・電極パッド・電気ショックボタンの3つだけです。電源を入れるだけで、その後にやるべきことを指示してくれます。操作方法に悩まないのであれば、1分1秒でも早くAEDを使用しましょう。
AEDの使い方とは(使用方法)
AEDの使い方にかんしては音声ガイダンスに従うだけで問題ありませんが、以下の4つの手順を知っておくとAEDをよりスムーズに使用できます。傷病者の生存率を高めるためにも、AEDの使い方をみていきましょう。
- 電源スイッチを入れる:
自分で電源スイッチを入れるタイプのほかに、フタを開けるとすぐに自動音声が始まるタイプがあります。誰かに胸骨圧迫を続けてもらいながら、AEDを使用する準備を進めましょう。 - 電極パッドを貼る:
電極パッドは、2枚で1セットです。服を脱がせて、右胸と左わき、もしくは左胸と右わきに貼ります。電極パッドにはイラストが描かれているため、それを見ながら貼りましょう。イラストと逆になっても、貼り直す必要はありません。心臓をはさむのがポイントです。 - 心電図の解析を待つ:
電極パッドを貼り付けると、AEDが心電図の解析を行います。このときに心電図の解析中ですといった音声ガイダンスが流れます。ここでいったん傷病者から離れます。なぜかというと、解析中に傷病者の体にふれると、誤作動につながってしまうからです。 - 心停止ならば、電気ショックボタンを押す:
心室細動による心停止ならば、ショックが必要ですと流れます。音声ガイダンスに従い、AEDの電気ショックボタンを押します。ボタンは1つだけなので、押し間違える心配はありません。そして、離れてくださいとアナウンスがあってから充電が始まり、そのあと電気ショックが流れます。除細動(電気ショック)が完了すると、ただちに胸骨圧迫を開始してくださいといわれます。もしショックの必要はありませんといわれても、傷病者に動きがなければ胸骨圧迫を再度行います。
AEDの誤った知識
AEDは火災報知器と異なり、自動で119番通報が行われません。倒れている人がいたら、まず周囲の方々が救急車を呼ぶ必要があります。
AEDは心臓の状態を診断できますが、外傷の状態や意識の有無までは診断できません。AEDが有効なのは心室細動による心停止のみです。ショックの必要がありませんとアナウンスが流れても、一命をとりとめたわけではありません。意識がなければ、救急車が来るまで胸骨圧迫を続けましょう。心電図の解析中に胸骨圧迫を行うと、AEDが胸の上下運動を心臓の動きと勘違いしてしまいます。心電図の解析中には離れてくださいとAEDからの音声ガイダンスがあるため、それに従ってください。
AED選びの前に知っておきたい基礎知識
「Automated External Defibrillator」通称AEDは最近、街中や駅などの公共施設、会社、商業施設といろいろな場面・場所でよく目にするようになってきました。しかしある程度普及してきたとはいえ、実際使うとなると疑問点も多く、「そもそも使い方がわからない」という声もまだ多いのが現状です。そこでこのサイトでは、AED導入前に身に着けておきたい知識を様々な角度から解説していきます。

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業種別でみるAED導入事例集
AEDを導入している企業や自治体、工場、乗り物、商業施設など、業種別ではどのような活躍をしているのでしょうか?実際に導入している企業方の事例を調査したので、ご紹介していきます。
値段をメーカーごとに比較
純国産製品から海外製のものまで幅広く製造されているAEDは、国が定めた基準をクリアしていなければ販売ができません。そのため安全面や機能面では一様に信頼できるAEDですが、それでもメーカーごとに機能性や使い勝手、価格などは異なります。同じ製品でも販売会社によって価格が大きく違ってくるのです。そこで、CUメディカル・フィリップス・フィジオコントロールジャパン・日本光電・旭化成ゾールメディカル・オムロン・日本ライフラインの7メーカーが製造しているAEDを、どの販売会社で購入すれば低コストで導入できるのかを徹底比較しました。
AEDの国内普及状況
公共施設などで一般市民が使用できるAEDの累計販売台数は、平成16年~26年までで516,135台(81.2%)です。医療機関の104,721台(16.5%)、消防機関の15,151台(2.4%)よりも普及しています。(参照:平成26年度厚生労働科学研究費補助金循環器疾患等の救命率向上に資する効果的な救急蘇生法の普及啓発に関する研究)
AEDはすべての都道府県に設置されており、比較的人口の多い地域にAED台数が多い傾向にあります。しかし、ただ単に人口あたりの台数が多くてもよいわけではありません。使用されていないAED台数を見直し、別の救急医療等の費用を検討するほうが大切。AEDは10年足らずの間で急速に普及しました。2004年7月からは一般市民もAEDを使用できるようになり、これまでにも多くの方々の命を救ってきました。それでもなお、救助が必要な現状は変わっておりません。
平成27年の全国の救急自動車による搬送人員数は、547万8,370人です。これは国民の23人に1人が搬送されたという計算になります。 (参照:総務省消防庁の平成28年版救急・救助の現況)
平成27年の全国の救急自動車による搬送状況を、より詳しくみていきましょう。 搬送では急病が最も多く349万1,374人。そして急病のうち脳疾患・心疾患等を含む循環器系の方は、58万 3,784 人(16.7%)です。平成27年では1,103人の傷病者にAEDが使用されました。1か月後の生存者は596人であり、生存者の多くは無事に社会復帰できています。
救急隊到着までの間に素早く救命処置を行えるかが課題
搬送人数を減らすのはむずかしいですが、AEDによって救う命ならば増やせるはずです。 現在AED使用による生存者が半数もいるのは、救急隊到着までの間にいかに早く救命処置を行うかが重要視されているからです。AEDがどんなに普及していても、救急車の到着を待っていてはそれだけで生存率が約20%になってしまいます。
一般市民による心肺蘇生があるからこそ、生存者は心停止により命を落とさず今でも豊かな生活を送れているのです。 さらに、一般市民によるAEDを含めた救命処置実施率は向上しています。その背景には、消防本部によるAED普及活動があるといえるでしょう。 平成27年中に消防本部が実施する応急手当講習を受講した人の数は、184万9,445人です。各消防本部が主体となり、応急手当指導員講習応急手当普及員講習普通救命講習上級救命講習などを積極的に行っています。
今後求められるのは、AED設置の質です。誰もが目につきやすい場所への設置はもちろん、その公共施設に初めて訪れた方でもすぐにAEDを取りに行ける配慮が必要です。 1分1秒でも早く、AEDを使用するためにはどうすればよいのか? 施設内規模や近隣のAED設置状況を考慮した上で、AEDの設置予定台数は本当に適切なのか? 全国にAEDが普及している現代では、設置台数の増加よりも、AED使用により救える命を増やすことが求められます。
AED・救命講習会について
導入・購入前にしっかり学んでおきたい方へ向けた講習会の情報について紹介しています。AEDの使用方法をはじめとした救命講習会の内容も解説!無料レンタル体験レポートも掲載します。
AED無料レンタル体験レポート

販売会社「AEDコム」が行っている、無料レンタルサービスを利用してみました。AEDに触れたことのない方に実際に使っていただき、その操作性や音声の聞き取りやすさなど、使いやすさについてインタビューしています。ぜひ導入の参考にしてください。