胸骨圧迫(心臓マッサージ)にはどういった役割があるのか、必要な場合と避けた方が良い場合、胸骨圧迫の方法などについて解説します。
胸骨は胸にある骨のこと。胸骨を圧迫することで、心臓を動かすのが胸骨圧迫(心臓マッサージ)です。心臓に何らかのトラブルが起き、血液を正常に送り出せない場合に行います。
外部からの刺激によって心臓を動かし、血液を循環させるのが目的です。
血液によって、酸素が体中に運ばれます。心肺停止の状態になると、酸素を送ることができずに体の組織が壊死してしまうのです。
特に脳へのダメージが大きく、心肺停止して3分で壊死が始まると言います。そのため、心臓が正しく動いていないときは脳へのダメージをおさえるために胸骨圧迫が必要です。
意識が無く呼びかけにも答えない、呼吸しているかが分からないようなときは、積極的に胸骨圧迫(心臓マッサージ)を行いましょう。意識がある、自発呼吸をしているようであれば救急車を呼んで様子を見ます。
心肺停止が疑われる状況であれば、避ける必要はありません。やり方に失敗して胸骨を折ってしまったら…、と不安になるかもしれませんが、命が助かるのですから怪我は治ります。むしろ、避けてしまう方がリスクになるので、心臓が動いていないと感じられたら胸骨圧迫(心臓マッサージ)をしましょう。
圧迫するのは、胸の中心から下部分にかけてです。そこへ、利き手が上に来るように、両手を重ねます。手のひら全体ではなく、付け根部分に力を込めましょう。押し込む際には、肘が曲がらないように肩から押すと力が入りやすくなります。
5cmほど沈むように押すのが目安ですが、慣れていない一般人は浅くなりがちなので思い切り押しましょう。押したら胸がちゃんと戻るように引いて、心臓がポンプの役割ができるようにします。
圧迫するときのリズムは1分間に100回から120回。童謡の「うさぎとかめ」が近いリズムです。この記事を読んだ方は、BPM100~120の曲で知っている曲が無いか調べて、頭に入れておくのも良いでしょう。
心臓は絶えず動いているものなので、胸骨圧迫(心臓マッサージ)も救急車が来るまで絶えずに行います。周りに人がいるなら、交代で行い、疲れから圧迫する力が弱まらないようにしましょう。
結論から言えば必要です。理由は、AEDと胸骨圧迫では、役割が異なるため必要なケースではどちらも行うのが良いとされています。
胸骨圧迫は、心臓に代わって血液を巡らせるために行います。いわば、手動でポンプを動かすのが目的です。
AEDは、正しく動いていない心臓に電気ショックを与えて、リセットするのが目的。正しく心臓が動き出せば胸骨圧迫をしなくても良くなるかもしれませんが、心肺停止が疑われるのにAEDが使用できない、電気ショックを与えても正常に心臓が動かないといった場合は胸骨圧迫を続ける必要があります。