AEDは多く人々が利用する施設に設置することが望ましく、ホテルや旅館などの宿泊施設においても例外ではありません。むしろ積極的なAEDの設置が求められるでしょう。
救命処置へのこだわりという意味でも、利用者に安心感を与えることができ、それがホテルや旅館のサービスのひとつの表れと感じとれるといったメリットも与えてくれます。
つまり救命措置対策への取り組みが、そのまま宿泊者に対してのホスピタリティにつながり、イメージアップにも一役買ってくれるという訳です。
特にホテルや旅館などは、AEDを導入することで利用客や従業員だけでなく、その周辺地域の人々への活用も期待できるとあって、地域貢献的な意味合いでも導入するメリットは計り知れないものがあるでしょう。
東京都健康安Zenken究センターが行なった「大規模ビルにおけるAEDの保守管理に関するアンケート」では、回答施設内の実に49.4%がAEDを設置しているという調査結果がでました。
そのなかで特に注目したいのが用途別のAED設置率です。ホテルや旅館では63.5%という高い設置率になりました。東京のホテルではすでに6割以上がAEDを設置しているそうです。
実際にホテルで心肺停止となった40代の清掃作業員に、同じホテルで働く従業員がAEDと心臓マッサージなどを行なって救命した事例がありました。また旅館の大浴場の浴槽内で意識不明になった人にAEDによる救命措置をして命を救った例など、枚挙に暇がありません。
救命対応への安心感をお客様に持っていただけます/ホテル・宮城蔵王
宿泊されるお客様の多くが60代以上で、中には80歳を過ぎたお客様もご来館されます。その中のほぼ全ての方が温泉に入りますが、冬場の露天風呂では外気が氷点下。どうしてもカラダに負担がかかってしまいます。以前より救命医療対応として、対応は行ってきましたが、安全対策のさらなる向上を目指すために、AEDの導入を決めました。全部署でAED講習を受講し、全従業員の2/3が使えるように万全の態勢で業務に臨んでいます。