突然目の前の人が倒れた時に、その人の安全を確保して心肺停止状態が確認できたら、心肺蘇生法を行う必要があります。もしそんな状況が訪れたとして、心肺蘇生の方法が適切に、素早く行えるでしょうか?
もし、心肺停止していた場合に、心肺蘇生法を行うか行わないかは、その人の生命をつなぐために重要なことです。
心肺蘇生の中でも今はAEDという機械を使用して、致死的な不整脈を改善させる方法があります。AEDは使い方すごく簡単なのですが、女性に使用する場合にはいくつか注意点があります。
今回はAEDについてと、実際に「女性」に使う場合の注意点などについてご紹介していきたいと思います。
AEDというのは「自動体外式除細動器」と呼ばれるもので、人が重篤な不整脈(心室細動)などに陥った時に、自動で心電図解析、電気ショックを与えることで、正常な心臓のリズムを取り戻すための機械です。
この機械は医療機器でありながら、一般の人でも使用可能なところが特徴であり、今や色々な施設に導入されていて、実際の救命に使われています。
近年では、一般の人がAEDを使用した例は、年間で1000を超えています。それだけ普及が進んでいるということです。
AEDの機能として素晴らしいのが、心電図解析(その人が本当に電気ショックの必要があるのかの判断)を自動でやってくれるところです。
つまり、操作者が心電図を見て判断するのではなく、AEDが判断をやってくれます。
操作性もどんどん良くなってきていて、最新のものでは3ステップ程度で除細動が行えるようになっています。
人が心停止で倒れた場合に一般的に行うのが心肺蘇生法です。
それには気道確保、人工呼吸、胸骨圧迫、AEDの使用を行います。
この内、心肺停止の原因が心室細動にある場合に、根本的な蘇生方法(唯一の治療法ともいわれています。)はAEDを使用することなのです。
1分でも1秒でもAEDを使用する時間が早ければ、蘇生する成功率も上がるといわれています。
もちろん全てにおいて成功するわけではありませんが、AEDを使用する迅速な対応を行うことは、非常に重要なのです。
なので、躊躇なくAEDが必要であれば使用することが大切です
メーカーや製品によって多少使い方は違いますが、基本的な流れは一緒です。
AEDの蓋をあけると自動的に電源がON(電源ボタンを自分でONするものをあります。
電極パッドを胸に貼る(パッドのソケットをAED本体に自分で刺すものもあります。)
心電図解析後、必要があれば電気ショックボタンを押す。という流れです。本当に最近のものは無駄が排除されています。
なので、AED到着から短い時間で電気ショックまでを行うことが可能となっています。
女性にAEDを使用する場合によく言われる注意点についてご紹介しておきます。
女性用のブラジャーには、ワイヤーなどの金属が使われていることが少なくありません。
そこで、金属があるものは外さないとスパークして、熱傷を起こしてしまうことがある。という議論が以前から行われてきました。
以前の考え方では、金属に関するものは全て外してからAEDを使用するとなっていました。
しかし、ブラジャーや金属類のネックレスなどを外すことに時間がかかってしまい、躊躇することで、電気ショックまでの時間が延長してしまうという意見もあり、最近ではブラジャーや装飾品を無理に外す必要はない。という考え方が主流になってきました。
先ほども話しました通り、心肺停止にある方の場合は、AEDを使用するまでの時間が蘇生率に大きく関わってきます。
そのため、ブラジャーやネックレスは無理に外さなくても良い。という考え方が生まれました。
いくら急ぐからといって、ブラジャーの上からパッドを貼ったり、間にネックレスが挟まってしまっては電気ショックの効果が適切に伝わらない可能性もありますし、スパークの危険性も高まります。
なので、いくら急ぐからといって、そのまま上からパッドを装着するのはおすすめできません。
ブラジャーや貴金属は、パッドからなるべくずらしたりすることで、しっかりと電気ショックを行える状態をつくります。
また、これは女性に限らずですが、埋め込み式のペースメーカーがある場合もパッドの位置が重ならないようにした方が良いです。
パッドを貼る位置に貼り薬がある場合は、剥がしてからパッドを貼るようにしましょう。
AEDというのは普段使うことがないものですから、実際に心肺蘇生を試みる現場に居合わせた場合に、スムーズに使用することは難しいかもしれません。
何度かトレーニングを受けたことがある人でも、躊躇してしまうことがあります。
特に女性などのパッドの貼り方などは、いざ現場でどうしていいのかわからないことも多いようです。
しかし、心肺停止からAEDを使用するまでの時間は、蘇生にとって重要であり、できるだけ迅速に対応することが推奨されています。
もし使う機会があれば、AEDの使い方をしっかりと理解してから使用することが大切です。