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AEDの使い方

AEDを使う前に行うこととは?

周囲で誰かが倒れたのを発見した時、救命措置の知識が身についていない場合、まずは119番に電話しなければ、と判断すると思います。

ところが、救急車は119番の電話があってから現場へ着くのは消防庁のデータによると平均で8.3分もかかるという結果が出ています。

倒れた原因が心臓発作だった場合、心肺停止し始めてから2分以内に心肺蘇生すると、助かる確率は90%程度という結果が出ているのですが、4分経つと50%と、時間が経過すればするほど助かる確率は下がります。

心配停止の状態で倒れている方を見つけた場合は、AEDの手配と同時に心配蘇生法を試してください。

次に、心臓がきちんと動いているかどうか、首もとや手首の様に脈を感じやすいところを触ってみてチェックしましょう。もし心臓が動いておらず、呼吸もしていないのであれば、ただちに心臓マッサージ(胸骨圧迫)を連続で30回、ならびに人工呼吸を2回、交互に行っていきます。その際、心臓マッサージは垂直に圧迫するように、地面が平らで固いところで行うようにしましょう。

救急車が到着するまで続けることが重要で、このようないざという時に救命措置の講習を受けていることが望ましいでしょう。

AEDの使用方法や手順について

いざという時でも誰でも稼働できるようにと言うことを考慮し、AEDは色々な種類がありますが、どれも簡単に使えるように設計されています。

多くのAEDはスイッチを入れると、音声のメッセージやランプ表示で使用方法が分かる様な仕組みになっています。機種によってはフタを開いただけで電源が自動で入るというもの存在します。

実際に見るAEDの使い方

それでは実際にAEDの使い方を見てみましょう。こちらでは、日本光電社製のAEDを例に使い方を説明します。

1.フタを開けて自動電源をONにする

AED_使い方1

画像引用元:AEDライフ
日本光電のAED情報サイト
(http://www.aed-life.com/information/use.html)

2.イラストを見ながら胸に電極パッドを貼る

AED_使い方2

画像引用元:AEDライフ
日本光電のAED情報サイト
(http://www.aed-life.com/information/use.html)

3.ボタンを押して電気ショックを行う

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画像引用元:AEDライフ
日本光電のAED情報サイト
(http://www.aed-life.com/information/use.html)

AED-2100を使用した救命の手順

もしもの事態に備えて使い方を覚えよう

AEDの使い方は3ステップと簡単。音声ナビを聞きながら対応すれば、最悪の事態を防げる可能性があります。事前に確認しておくと万が一のときも落ち着いて行動できるので、使い方を確認しておいてくださいね。

AED装置の各部名称と機能

ここでは、日本光電社製のAED装置を例に、各部の名称と機能をご紹介します。いざ使う際に慌ててしまい間違った使い方をすることがないよう、各部について把握しておきましょう。名称を知っておくと、点検の際も役に立ちます。

装置各部名称

画像引用元:AEDライフ 日本光電のAED情報サイト
(http://www.aed-life.com/information/use.html)

  1. フタ…AEDのフタ部分です。フタを開けると、電源が自動的に入る仕組みとなっています。
  2. 音声ガイドスピーカ…音声ガイドを流すスピーカーです。音声によってAEDの使い方を説明してくれます。
  3. 電極パッド…フタの裏についています。すでに本体に接続されているため、取り出したらすぐに貼り付けることが可能。電極パッドを貼る場所はイラストに描かれており、位置を確認しながら貼ることができます。毎日行うセルフテストで、電極パッドの接続状況・種類・使用期限を確認しておきましょう。
  4. 液晶画面…音声ガイドに合わせて、イラストとメッセージでAED装置の使用方法を表示してくれる画面です。
  5. 成人・小児モード切換スイッチ…年齢によってモードを切り替えてエネルギーの出力を変えるスイッチです。患者の年齢を見てスイッチを切り替えてください。
  6. ショックボタン…押すと電気ショックが流れます。
  7. ステータスインジケータ…AEDが使用可能であるかを確認できます。正常なら緑色、問題があれば赤色で表示されます。
  8. 診断パネル…セルフテストの結果を表示するパネルです。バッテリ残量・電極パッドの状態・AED装置に異常がある場合はランプが点灯する仕組みです。
  9. リチウムバッテリ…充電できない使い捨てタイプのバッテリが内蔵されています。各AEDのバッテリの待機寿命は、設置環境・使用状況によって様々。動作時間はバッテリ内のメモリに保存されています。

AEDを使用するときの注意すべきポイントとは

 AEDはこのように音声で救命方法の流れを伝えてくれます。AEDは自動で心電図を解析しながら、電気ショックを行ったほうがいいのか判断をします。

必要だとなった場合は、自動的に充電がスタートします。ここで忘れてはいけないポイントとして、「ショックボタン」を押す、という行為は人が行うため、慌てないためにもきちんと準備をしている必要があるという点です。それだけは自動ではありません。

また、最も注意する必要があるのは、充電が自動で完了した時に、救命措置を行っている方・周囲にいる方は、決して救命措置を受けている方に触れてはならないということです。

ショックボタンは押しますが、誤って救命措置を受けている方に触れてしまうと感電してしまいます。ショックボタンを押す時は絶対触れないようにしましょう。

AEDはアナウンスが流れるのでそれに従って行います。ただし、胸元をはだけさせること、そして必ずアクセサリー類は外してください。金属製品(下着の金具類も)は感電することもあります。

服を脱がすことが難しい場合は、備え付けのハサミなどを使って服を脱がしてください。

また体毛が濃い方は服を着ているのと同じ状態のため、電気ショックが効かないこともあります。予備パッドを使って胸毛などをはがすか、AEDに救急セットが同梱されていることもあるので、そのセットにある脱毛テープや剃刀などで剃毛してあげてください。

また、身体が濡れていたら拭いてから使用します。

パットを貼る場合はイラスト通りに貼るようにします。正しく貼れていないと、火傷につながる場合があります。

また、ペースメーカーなどが埋め込まれた方は、胸部に数センチ程度の小さい傷跡があるので、そこから少し離れた場所に貼ってあげてください。

AEDの使用体験談

実際、どのような場面でAEDを使用するのか想像ができないもの。ここでは、AEDを使用した方たちの体験談をまとめました。

AED・救命講習会でも使い方を学べる

販売会社や消防署、日本赤十字社といった公的機関では、AEDの講習会が行われています。いざという時にすぐ使えるよう、講習を受けて使い方を身につけておきましょう。

以下のページでは、AED無料レンタル体験会に参加してAEDを使用した人の体験談をまとめています。

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AED使用方法Q&A

AEDの使用において、よくある質問を集めてみました。AEDの疑問はここで解決してくださいね。

Q.AEDは誰にでも使えるの?

A.使えます。

2004年7月、厚生労働省から「非医療従事者である一般市民のAED使用は医師法第17条に違反しない」と通知が出たことにより、誰でも使用できるようになりました。市民の皆さんは、心肺蘇生やAED使用方法の講習会を受けるのをおすすめします。

Q.AEDを使用して、万が一患者が亡くなった時は責任を問われるの?

A.問われません。

2004年7月、厚生労働省から「現場に居合わせた市民が救命のためにやむを得ずAEDを使用した場合、医師法上、民事上、刑事上の責任は問われない」と通知が出ています。

Q.AEDに年齢制限はあるの?

A.ありません。

JRC(日本版)ガイドライン2010対応機器より、1歳未満の乳児にもAEDが使用可能になりました。1歳未満の乳児を含む未就学児には小児用パッドを使用します。小児用パッドがついていない場合は成人用パッドを使いますが、その際はパッド同士が触れないように気をつけましょう。

Q.AEDを使用できない環境は?

A.高濃度酸素や可燃性ガスがある環境では、AEDを使用しないでください。火災・爆発を引き起こす危険性があります。

Q.AEDの音声指示を聞き逃したら、どうしたらいいの?

A.繰り返されるメッセージをしっかり聞きましょう。

AEDを使用している際は、音声指示をなるべく聞き流さないよう集中しましょう。万が一聞き流してしまった際、処置が実施されないと繰り返し同じメッセージが流れる仕組みとなっています。が、約30秒経過するとAEDが作動してしまう可能性があるため注意してください。

Q.2つのパッドを貼る位置が逆になるのはダメ?

A.逆になっても構いません。

心電図判定には影響がないため、貼る位置が逆でもOK。ただ、心電図の波形が画面に表示される機器の場合、波形が逆転して表示されることを念頭においてください。

Q.AEDを使用した後はどうするの?

A.AEDの使用後は各部の交換や点検を行う必要があります。

  1. 電極パッドの交換
    予備の電極パッドがあれば、使い終わった電極パッドと交換しておきましょう。予備の電極パッドがなければ、販売店に連絡して新しいものを補充してください。
  2. バッテリ残量の確認
    診断パネルでバッテリ残量を確認します。残量が50%以上であれば継続使用が可能です。残量が25%未満であれば、予備のバッテリを購入しましょう。
  3. 救助データの取得
    AED本体の内部メモリに保存されている救助データを取得しましょう。各AED機種専用のソフトウェアをパソコンにインストールしたら、AEDを接続して救助データをダウンロードしてください。

Q.電極パッドやバッテリの交換はいつ行うべき?

A.電極パッドは使用後・使用期限が過ぎたら、バッテリは待機寿命がきたら交換してください。

電極パッドには使用期限があるため、使用期限を過ぎた電極パッドは新しいものに交換しましょう。また、使用後は新しい電極パッドを補充してください。

バッテリは各機器によって待機寿命が異なります。

※待機寿命…AEDのフタが閉じられ、なおかつバッテリパックと電極パッドが接続された状態。待機寿命は設置環境・使用状況により異なり、その寿命は必ずしも保証されません。

機器名 待機寿命
(未使用の場合)
AED-9000シリーズ
バッテリ[X213]
約5年
AED-1200
専用バッテリ[X215C]
約2年
AED-2100(ステータスインジケータの周囲がオレンジ)
専用バッテリ[X212]
約2年
AED-2100(ステータスインジケータの周囲が紫)、
AED-2150シリーズ、AED-2152
バッテリ[X216]…約2年
バッテリ[X217]…約4年
AED-3100
専用バッテリ[SB-310V]
約4年

バッテリの残量は、毎日のセルフテストでの確認後、診断パネルに表示されます。バッテリ残量が25%または0%の場合、新しいバッテリと交換しましょう。

AEDのメンテナンス

「AEDを設置しておけば大丈夫」と過信せず、日頃からしっかりと点検を行う必要があります。

AEDの部品やバッテリは寿命があるため、定期的な交換が必要不可欠。ラベルをつけて管理しておけば交換時期が一目で分かるだけでなく、部品を交換する目安を知ることができます。

また、万が一のときに正常に動くかどうかもチェック。点検の際はインジケータの色が緑色であるかも忘れずに確認してください。

いざという時のために欠かさず点検を行い、もしもの事態に備えましょう。

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