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講習会で取れる資格の事

救命講習やAED講習会で救命のための知識や技能を学んだ人には、消防長によって認定される資格認定証が交付されます。

救命技能認定証

AED講習会で初歩的な救命資格が身に付く

心肺蘇生やAED、異物除去、止血法などを学ぶ普通救命講習やAEDの知識確認と実技の評価を加えた自動体外式除細動器業務従事者講習を受講すれば発行されます。

講義は実技中心になります。3時間くらいあるうちで座学は1時間程度。あとは胸骨圧迫、人工呼吸、AEDの実技を学んでいきます。

この認定書自体には有効期限は決められていませんが、認定証の交付を受けた日から概ね3年くらいを目処にして再講習の受講が奨励されています。

費用については各自治体によって様々です。ちなみに東京都の場合は、交付には費用が1,400円かかります。なかには無料で普通救命講習の受講をすれば認定書がもらえる自治体もあります。

上級救命技能認定証

さらに充実した救命資格を習得

救命技能講習で学んだ内容に加え、乳幼児の心肺蘇生法や傷病者の管理、大出血時の止血法、搬送法といったより幅広く、専門的な内容の救命講習を修了した人には、上級救命技能認定証が交付されます。

各自治体の市役所や消防署で講習が実施されています。受講資格の年齢制限や実務経験などは特に定められているわけではありませんが、基本は受講する地域に在住していたり、通勤・在学している人を対象にしています。

講習時間は8時間。受講方法ですが、東京都を例に挙げるとだいたい6ヶ月前~3日前までに講習の予約を入れます。

もし期日の予約定員が埋まっていればその前に締め切られてしまうので、余裕をもって予約してください。

ちなみに上級救命技能講習は、普通救命講習などのステップを踏まずとも受講することができます。というのも上級救命技能講習には、普通救命技能講習で学ぶ内容が網羅されているからです。

受講時間自体は4時間くらい多く差がありますが、どちらも結局は1日かかると考えれば、はじめから上級救命技能認定証をとっておいても良いかもしれません。

費用は東京都の場合2,600円がかかります。

AEDの普及

ターミナル駅、空港、駅構内、スーパーなど、日々の生活を歩んでいくとこれらの施設に立ち寄ることもあるでしょう。そんな時、突然近くにいた人が心肺停止などで苦しみながら倒れてしまったという場面に遭遇する可能性もあるかもしれません。

そんな場合に備えて開発されて普及が進んでいるのが、「AED」ということになります。

AEDの基本

AEDに関する概要は次の通りです。

正式名称

Automated External Defibrillator

日本語名

自動体外式除細動器

役割

心肺停止時、自動的に測定した心拍状態に基づいた電気による除細動を行うことで正常な状態に戻す

主な配置場所(下記以外もあり)

この通り、緊急時に使用できるように多くの場所に設置されており、「あらゆるところ」で活躍の機会があるということが分かります。

ところで、AEDの正式名称の中にある「除細動」という言葉は聞き慣れない人も多いでしょう。

除細動とは、不整脈(心拍数のリズムが不安定な状態)の治療方法の一つです。

その方法は、「主に電気を流すことでそれを正常にしていく」という方法です。これが俗に「電気ショック」という言葉として定着しています。

この歴史は、1899年のスイスのジュネーブ大学の学者による、「犬に対する電気ショックを与えた」という実験が始まりとされており、まだ118年と比較的浅い歴史とはなっていますが、世界中の医療施設では緊急措置として使用されています。

そして、この一見専門性を高く感じる技術を、自動化によって誰もが即座に使用できるように設計されたものがAEDということです。

【AEDの注意点】

ただし、AEDに関して一つ注意しなければならない点があります。それは、電気ショックを起こす以上、所定の方法で正しく行わなければケガをする恐れがあるということです。

また、装置を起動させた時は、原則として音声ガイダンスに従って使用することになりますが、特に初めて使用する場合は、緊迫した状況になることもあってそれを怠ってしまい手順を誤ることも考えられます。

 よって、正しく使うためには一定の訓練が欠かせないといえます。

 幸いAEDを使った救命講習会は、全国各地の消防署、日本赤十字社の都道府県支部をはじめ、多くの機関で定期的に開催されていて受講を推奨する動きが広がっています。

AED講習の種類

AEの講習会は、受講者の種類によって指定された所要時間がそれぞれ用意されています。これらは、いずれも厚生労働省の指針に基づいています。

なお、ここでいうスポーツ業界とは、フィットネスクラブ、ホテル、ゴルフ場など、相応の運動を行うところでの業務に従事する人のことです。

決して難解な内容ではないものの、180~220分とそれなりの時間をかけて実施されますが、命を預かる立場になる関係上、集中を乱さずに講習に臨むことが求められます。

AEDインストラクターの講習はなんと6時間

さらに、AED講習には前述の種類に加えて、AEDの使用に関する講師(インストラクター)専門講習が用意されていますが、その所要時間は6時間(360分)と一般市民の倍です。

その理由は、通常の座学形式の講義に加えて実際にAEDを使った実技があるからです。

AEDインストラクター講習の主な流れ

おおむねAEDインストラクター講習の流れは、下記のカリキュラムに沿って開催されることが多いです。

  1. オリエンテーション
  2. 基本的心肺蘇生法処置の確認
  3. AEDの知識、基本的原理
  1. 意識の確認・心肺蘇生法の実技指導
  2. AEDの使用に関する実技指導
  1. 筆記試験(更新が目的の受講者は免除)
  2. 実技試験
  3. 評価判定解説

また、次の点は事前に準備または確認しましょう。

以上のような内容です。

その日一日かけて学んだことがきちんと身について実践できるかどうかを把握するための試験が行われているため、単に受講すれば取得できるものではありません。

また、受講料も一般市民または実施団体の会員かどうかでも異なってきますが、それなりの時間とお金をかけることや人の命を救うAEDの指導をする立場を目指す以上、しっかりと受講してAEDインストラクターの認定をもらいましょう。

なお、受講者には定員が設けられています。先着順でもあるので、申込開始が分かったら即座に申し込み手続きに入りましょう。 

AED講習を受講する意義

ただし、AED自体は前述の通り講習を受講せずとも音声ガイダンスに従って行えば基本的には操作ができます。

そのため、多少の事では動じないと自信を持っている人にとっては、高い受講料を払ってまで受講する必要があるのか懐疑的な見方もあるかもしれません。

しかし、それでも受講を推奨するのに次のような事情があります。

実は、年間約3~5万人が病院外で心筋梗塞などの発作に襲われています。しかも、発生場所は駅、バス発着場、美術館などあらゆる公共施設です。

ただし、これは全体的にみれば高く見積もっても約3割です。では、残り約7割はどこになるのかといいますと、「自宅」になります。

ただし、ここで考えなくてはならない点があります。それは、自宅で発生した場合、AEDによる救命処置はもとより、119番通報をして救急車を呼び出すといった行動がとれる人が原則として家族のみであるということです。

もちろん、近所に助けを求めれば通りかかった人などが救助に入ってくれることもあるでしょう。

しかし、それも第一発見者の存在がなければ、偶然にも訪問という幸運でもない限りは実現する可能性も低いです。

つまり、AEDなどを駆使した救命措置しなければならない事態が自宅で発生した場合は、結局のところ、同居している家族一人一人が助けるしかないということです。

また、2009年に消防庁が発表した、「救急車が現場まで到着する時間」では、全国平均で約7分かかるとされています。

これは、発見したものの冷静さを失ったままであればあっという間に過ぎ去る時間です。

しかも、救命措置は次の流れを要します。

  1. 発作を起こして倒れている人を発見したら、速やかに周囲の安全を確認して自身と対象者の二次的危険をできるだけ除去する
  2. 対象者が危険な場所にいれば安全な場所まで移動させる
  3. 「大丈夫ですか?」とできるだけ大きい声(氏名が分かっているなら氏名も出して呼び掛ける)で対象者に呼び掛けて反応を確認する
  4. 「誰か助けて下さい」と周囲に人がいれば助けを求めて、119番通報をする
  5. 呼吸の確認をする(10秒程度)
  6. 数センチ胸部がへこむくらいの強さで胸骨圧迫を1分間で100~120回くらい行う
  7. 技術がありかつ行う意思があれば人工呼吸を2回くらい行う

このような流れを、緊急時に果たして上手く取れる自信ある人はそうはいないでしょう。

つまり、講習を受講することを推奨するのは、単なる知識習得と使用方法の習得に加えて、冷静な判断力と実行力を身につけるためにあるということです。

人は、不慣れなことに対してはもともと動きが鈍くなる傾向があります。

しかし、病院内外での命がかかっている現場では、それをできるだけ講習などで対応できるようにしていくことが重要です。

立派な社会貢献にもなる以上、ぜひとも受講してみることをおすすめします。

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