AED導入の手引き » AED選びの前に知っておきたい基礎知識 » AEDは設置する基準ってあるの!?設置する方法は?

AEDは設置する基準ってあるの!?設置する方法は?

AEDの役割ってそもそも何だっけ?

「AED」と書かれた赤いボックスにハートマークが描かれた機械は街のいたるところに設置されています。AEDは「自動体外式除細動器」という救命道具の略称で、今から約13年前の法改正を機に、急速に全国に普及しました。日本の人口当たりの設置数は世界のトップクラスですが、AEDは救急隊だけでなく一般市民が使用することもできるのが特徴です。誰かが心停止を起こした時は、近くにいる人がAEDを使って電気ショックを与え救命を図ることができます。操作方法はAEDの自動音声がガイドしてくれるので誰でも安心して使用でき、救急車が到着するまでの間、迅速な救命措置を施すことで尊い命を守ることができるのです。実際病院外で心停止が起きて、それを目撃した人がAEDを使った結果、患者の45%の命が救われたという厚労省関連の委員会のデータがあります(「1.はじめに」を参照。引用元: https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10802000-Iseikyoku-Shidouka/0000024513.pdf)。しかし残念なことに、2012年の総務省消防庁の統計によると、心停止が目撃されたもののAEDが使われなかったケースも多々あり、その原因の一つとして「AEDが現場付近に未設置だったこと」があげられています。このようなわけで公共施設や職場、学校などの施設にはAEDの導入がますます望まれています。自治体の中には、横浜市のように一定の基準で設置が義務化されているところもありますが、まだそうではないという地域においても、積極的な設置が推奨されています。もしあなたの会社にAEDを設置するなら、どのような設置基準を参考にするのが望ましいのでしょうか。

設置に関するガイドラインは?設置が推奨される場所ってどこ?

AEDの適正な設置に関しては政府が指針を定めています(「AEDの適正配置に関するガイドライン」。参照URL: https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10802000-Iseikyoku-Shidouka/0000024513.pdf)。一般財団法人日本救急医療財団「非医療従事者によるAED使用のあり方特別委員会」が公表したガイドラインでは、AEDの設置場所を提示して、病院外での心停止が起きた場合の救命措置を促進する方法がまとめられています。その中の「AEDの設置が推奨される施設」という項目で、例にあげられている場所には駅・空港・飛行機内・電車内・旅客船内などの交通機関、ジムなどのスポーツ関連施設、大規模な商業施設、動物園やスキー場などの大型集客娯楽施設、役所や市民会館などの公共施設、鋼板や消防署、介護福祉施設、学校、会社や工場や作業所、宿泊施設、遠隔地や過疎地などがあります。もしこれらの施設や環境にあなたの職場が当てはまっているのならAEDの設置は急務であると考えられます。またこれらの条件に当てはまらないとしても、人が多く集まる職場にはAEDを設置することが望ましいことは明らかです。例えばガイドラインでは、「会社や工場や作業所」に設置する例として、「50歳以上の社員が250人以上働く場所」を挙げています。しかし年齢や規模だけでなく、勤務時間が不規則になりがちな環境であるなど心臓発作リスクの高さを想定する基準は他にもあります。従業員の大切な命を守るためにもAEDの積極的な設置は議論されるべき課題です。それでは、職場での設置という観点から、ガイドラインをもう少し詳しく見てみましょう。

会社でAEDを設置する場合の参考基準

ガイドラインの指摘によると、AED設置密度の高さは救命率の高さに比例します。どれだけ迅速にAEDの利用が可能になるかが救命率を上げるためのカギですが、ガイドラインでは6つほどの考慮点を提示しています。一通りあげてみると、「1.心停止から5分以内に除細動が可能な配置」「2.分かりやすい場所」「3.誰もがアクセスできる」「4.心停止のリスクがある場所」「5.AED設置場所の周知」「6.壊れにくく管理しやすい環境への配置」です。どれも重要なポイントですが、救命措置はとにかくスピード勝負という点から考えると、土台となるのはやはり1番目の設置場所の工夫という点ではないでしょうか。会社の規模が大きくなるとそれだけ理想設置数も多くなりますが、単に数だけではなく、人が最も通行するメインの通り道や、高い建物であれば階段やエレベーターの近く、工場などであれば出来るだけ直線的な移動ですむような位置など、動線を意識した配置を考慮することが大切です。AEDの設置に関して工夫できることは他にもありますが、まずはこのガイドラインを参考に、社内での設置場所の候補を挙げることから始めましょう。

AEDメーカー値段比較

AEDメーカー値段比較

AED無料レンタル
体験レポート

AEDメーカー値段比較