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AEDのメンテナンスで気をつけるべき事とは!?

「AEDは一度設置すれば大丈夫」というのは危険!

一般財団法人「日本AED財団」によると、日本では毎年約7万人近くの人が心臓突然死で亡くなっています。これは実に7.5分に1人という高い頻度です。

適切な電気ショックが1分遅れるごとに救命率は10%下がると言われていますが、救急隊はすぐに現場に駆け付けられるわけではなく、現場に居合わせた一般市民による救命措置は大きな役割を果たします。

そこで役立つのがAEDです。日本経済新聞の調査によると、日本におけるAEDの販売は、2004年から2014年末までの10年間に累計63万台を突破しています。

このように日本は人口あたりの設置数において高い達成率を誇っていますが、AEDは一度設置すればそのまま放置しても大丈夫というわけではありません。AEDは24時間365日いつでも稼働できるよう、定期的な点検が欠かせないのです。特に大型商業施設など人が多く集まる場所では使用の可能性は高くなるので、点検は必須です。

【引用元】https://www.nikkei.com/article/DGXLASDG31H22_R30C15A7CR0000/

AEDの維持管理の問題点

「ある場所で心停止が起きて現場近くのAEDを使おうと思ったら作動しない」、もしこんなことが実際に起きたら、救えるはずの命が失われる恐れがあります。

こうしたケースがあなたの身近で起きないとは言い切れません。実際電池切れによりAEDの電源が作動しないというトラブルも起きています。ここでAED不備の一例を見てみましょう。

群馬県・山梨県・長野県の国の行政機関におけるAEDの維持管理状況をまとめた総務省のデータでは、「電極パッドの使用期限が過ぎていた」事例は群馬県で4件、山梨県で2件、長野県で4件ありました。また日常点検を実施していない事例が群馬で14件、長野で11件ありました。点検はしていても結果を記録していない事例が群馬で14件、山梨で13件、長野で7件でした。

こうしてみると行政機関でもメンテナンスに問題を抱えていることがわかります。調査対処機関は3県で92件でしたが、点検していない機関は合計で25件と27%もありました。

日常点検は欠かさない!

AEDがいつでも正しく作動するように、設置後も日常点検はかかせません。

厚生労働省も事態を重く見て、AEDの設置者などに対して日常点検実施を呼び掛けています。8年ほど前に各都道府県知事にあてて通知が出されましたが、この通知によると日常点検として行うよう奨励されている点はそれほど多くありません。

「AEDインジケーターの表示を日常的に確認する事」と「消耗品の交換時期を表示ラベルで確認して適切に交換する事」の2点です。簡単に言えば「定期的に作動するかチェックして必要があれば交換してください」ということです。

この日常点検はあっという間にできる簡単な作業で、人命の貴重さを考えれば行わない理由などありません。AEDの製造・販売業者はきちんとした保守管理のために、消耗品期限管理タグなどを用意しているので、それらを活用し適切な管理を行いましょう。

毎日AEDのステータスインジケーターを確認する!

実はAEDは自動でセルフチェックをする機能がついています。そしてその結果はステータスインジケーターに表示されます。

例えば「緑色の表示がされれば使用可能」、「赤色なら使用不可」という感じです。それぞれの確認方法は取扱説明書をよく確認しましょう。

ただAEDがセルフでチェックをしても、それを使う人間がチェックしなければ意味がありませんから、毎日欠かさず目視しなければなりません。AEDを職場の全員が頻繁に目をやるような場所に設置するなど、工夫すると点検環境はさらに良くなります。

詳しいチェックについて

厚労省が奨励している点検事項として「消耗品の確認と交換」がありましたが、消耗品としては電極パッドやバッテリーなどが挙げられます。これらには有効期限があるのでそれを十分前もって確認し、期限を守って交換しましょう。

製造販売業者は消耗品の交換時期を記載したラベルをAED本体や収納ケースなどに貼りつけ、外部から確認できるようにAEDを整備しています。購入時にその表示を確認したり、取扱説明書に記載するなどしてとにかく念入りに交換のタイミングを把握しておきましょう。

もし使用期限過ぎた電極パッドを使用すれば、効果がなく救命措置ができないどころか、パッドを付けた部位に熱傷を生じさせてしまう恐れもありますので注意が必要です。

交換した時は再び交換時期を示すラベルを確認し、次回に備えます。もしAEDを廃棄したり譲渡する場合は、AEDを購入した店舗や製造業者に連絡します。そうすることで業者がAEDの設置場所の登録や管理がしやすくなり、より一層救命環境が改善します。

AEDを廃棄・譲渡する際は、製造販売業者に連絡が必要

AEDは、厚生労働省により「高度管理医療機器」に分類されているため、製造販売業者などが設置場所を追跡・確認できなければなりません。そのため、今現在設置しているAEDを廃棄・譲渡する場合は、以下2つの業者どちらかに必ず連絡をする必要があります。

廃棄・譲渡の連絡は、必要事項を記入する簡単なものです。厚生労働省のホームページにて書式を確認できるので、AEDを廃棄・譲渡する際は参考にして下さい。AEDライフのホームページには、廃棄登録申し込みフォームがあるので活用しましょう。

【参考】厚生労働省自動体外式除細動器(AED)の適切な管理等の実施について

AED本体の廃棄処理方法

自身でAEDを廃棄する場合や、購入先に廃棄を依頼する場合には、以下どちらかに該当する方法で処理をする必要があります。

  1. 一般企業・団体のAEDは、「産業廃棄物」として廃棄します。自治体によって対応が異なる場合もあるので、廃棄の際には自治体の窓口へ必ず確認しましょう。
  2. 医療機関でAEDを廃棄する場合は「医療廃棄物」としての処分が必要です。

AED本体の耐用期間は、以下の事で異なり、使用される回数などを考慮し、耐用期間は製造会社や販売会社が設定しています。

それぞれの耐用期間は、AED本体に記載がある添付文書のほか、取扱説明書に記載がありますので、AEDを購入・設置する際には必ず確認して下さい。

消耗品は寿命があるので交換が必要

AEDに利用されている、電極パッドやバッテリーには使用期限があります。製造・販売会社からラベルを提供してもらえるので、消耗品の交換時期が分かりやすいように表示ラベルを貼るなどの工夫をし、使用期限が近づいてきたら交換するようにしましょう。

ただ、AEDを利用していないとラベルが目に入りにくいのも事実なので、そんな時は、製造・販売会社からから届くハガキやメールにも注意を払って下さい。

ハガキやメール・交換品が届くこともある

電極パッドやバッテリーといった消耗品の使用期限が近づくと、製造・販売会社からハガキ

やメールで、交換時期のお知らせが届いたり、交換する電極パッドやバッテリーが送られてくることもあります。

交換時期をなるべく把握しておいて、時期が近づいたら表示ラベルやメール・ハガキを気にかけ、速やかに交換することが大切です。

製造・販売会社では交換や管理を代行してくれるサービスもある

日常の点検が難しかったり、忘れがちになってしまう場合は、製造・販売会社が電極パッドやバッテリー交換のサポートサービスを行っている場合もあるので、ぜひ活用して下さい。

製造・販売会社などでは、AEDの管理自体を委託するサービスを行っている場合もあるので、合わせてご検討下さい。サポートサービスの内容は各社で異なるので、詳細等はご自身が管理しているAEDの製造・販売会社にお問い合わせが必要です。

消耗品を廃棄する際は、「廃棄物」として処分しましょう

一般企業・団体のAEDの場合、寿命が来た消耗品は、通常の「廃棄物」として処理することができます。消耗品の中でも、電極パッドは、「一般廃棄物の不燃ゴミ」として廃棄することが可能で、バッテリーに関しては、各自治体の「電池処分方法」に基づいて廃棄できます。

事業所にて消耗品を廃棄する場合は、廃棄の方法が「産業廃棄物」となるので、各自治体のホームページなどを確認し、決められた処分方法に従い、産業廃棄物として廃棄して下さい。

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